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日々雑感(ミステリ感想中心)

黒い仏(殊能将之/講談社)

62.黒い仏殊能将之講談社

総評:★★★☆☆

オススメ:ある種の壁本ですが、そうとわかって読む分にはなかなか楽しめるのでは。

 あらすじ(引用)

九世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと、一つの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。無関係に見える二つの事柄の接点とは?日本シリーズに沸く福岡、その裏で跋扈する二つの力。複雑怪奇な事件の解を、名探偵・石動戯作は、導き出せるのか?賛否両論、前代未聞、超絶技巧の問題作。


なんだこれ。笑

壁本と知っていて読んだので投げなかったけど、しかしえらく手の込んだ壁本だった...

 

おどろおどろしい表紙の割には、いつもの石動シリーズなのでサクサク読めてその辺はさすが殊能先生。

まぁなんというか、ミステリとしてはめちゃくちゃ邪道だけど、石動&アントニオコンビが好きならぜひ読むべき。あと殊能将之の蘊蓄が好きな人は楽しく読めると思う。

個人的に、ここまで読んだ殊能将之著作の序列的には、

美濃牛>>鏡の中は日曜日>ハサミ男>黒い仏>>>子どもの王様

って感じかなぁ。個人的にはハサミ男に肉薄する勢いで好き。

 

因みに、この本のタイトルでググろうとするとサジェストにネタバレが出てくるので、未読の方は調べない方が吉。

 

 

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫)

黒い仏 探偵石動シリーズ (講談社文庫)

 

 

※以下ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アントニオ、法力とか使えちゃうのか笑

ていうか何だよそのかっこいい過去...石動・アントニオコンビ、めっちゃええやん...もっと読みたい......

いやしかし、ラストは妖怪大決戦って感じで爆笑した。キャラもそれぞれ漫画っぽいしアニメ化できそう。いや無理か。笑

 

アンチミステリとか以前にトンデモ本だけど、まぁ(元からミステリとしてはいろんな意味で異常な)石動シリーズなんで全然オッケー。

中盤で一応法力云々出てくるから、ラストのトンデモもまぁ割と受け入れられるし(そうか?)

 

あ、感想は以上です。まともな書評はたくさんネット上に落ちてるのでそっちを見てください。

予想より好意的に読んでるミステリ読みが多かったかな。ていうか、自分と同じでみんなキワモノとして読んでるからかもしれない。

後期クイーン問題
・多重解決(なのか?)

を捻り技で決めてくる殊能先生、やっぱどんな脳みそしてんすかね。

「石動の解決を聞いてから、それに辻褄の合うように過去を工作して証拠を作り上げる」というのはネタとして面白かったんで、SFミステリとかでも使えそう。あと、さよなら神様をちょっと思い出した(殊能将之好きは麻耶雄嵩も絶対好きでしょ...)

 

残るはキマイラの城だ〜〜〜面白い作品であることを祈る。その前に別の作品に手出すかも。