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日々雑感(ミステリ感想中心)

人間の顔は食べづらい(白井智之/KADOKAWA)

50.人間の顔は食べづらい(白井智之/KADOKAWA

総評:★★★★★

オススメ:グロ耐性のある方ならぜひご一読を。まさかの結末に満足いただけるかと思います。

 あらすじ(引用)

「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きてー。異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!?横溝賞史上最大の“問題作”、禁断の文庫化! 

 

よく出来てるミステリだったなぁ...久々に文句なしの星5がつけられる作品を読んだ。

ただ、あとがきで道尾秀介も書いている通り、とにかく設定が万人向けではないのでオススメしにくいのが難点か。個人的には、『殺戮にいたる病』が読める人なら楽しめると思う。あれほどではないが、エログロ度がやや高めなので。あと、クローン人間を食べるというSF設定なので、その辺も飲み込める人でないと厳しいか。

ちょうど安売りしてたので買った作品だったが、二転三転する展開、ラストに向けての怒涛の伏線回収が大変心地良かった。同作者の他作品も読んでみたい。

 

 

人間の顔は食べづらい (角川文庫)

人間の顔は食べづらい (角川文庫)

 

 

 

※ 以下、ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


正直、叙述トリックは中盤らへんで気がついた。

柴田がどうにも同一人物に見えない点や、ゐのりと名乗る人物が二人いたので、入れ替わり叙述トリックだと気付くのは割と容易かと。

冨士山議員の入れ替えは、むしろ序盤の風俗嬢と気狂いじみたプレイを楽しんでアリバイを作っていたシーンで何となく勘付いたが、まさか全てが繋がると思わなかったので、終盤の種明かしは面白かった。まさかのチャー坊が探偵役になるとは。

脅迫状の血染めがおかしいってのも気付いたんだけど、推理にまでは至らなかったなぁ。こう考えるとかなりフェアな方のミステリだった。タネを暴けなくて残念。