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日々雑感(ミステリ感想中心)。各エントリでは前半にあらすじとネタバレなし感想、後半にネタバレあり感想を掲載しています。

パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語(スクエア・エニックス)

番外編18.パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語(スクエア・エニックス)

総評:★★★★☆

オススメ:パラノマサイトFILE23本所七不思議をプレイした方へ。歴史とオカルトとミステリが好きな方へ。

総プレイ時間:8時間くらい

 

あらすじ(引用)

伊勢湾に浮かぶ離島、亀島。
そこに住む海女の少年・水口勇佐は、親友の雲居アザミと素潜り漁をしていると
海底で《もうひとりの自分》に遭遇するという不可思議な体験をする。
その出来事を皮切りに、亀島にいくつもの呪いが襲いかかる‥‥。
正体不明の少女、宝を探しに来た外国人、水死体を調査する謎の主婦――。
それぞれの思惑は交錯し、やがて悠久の歴史に隠された人魚の秘密へと結びついていく。

 

はい。楽しみにしてましたパラノマサイト(伊勢)。

前作がもうめちゃめちゃ傑作だったんですが、ああいう初見殺しの多いゲームは第二弾を出すのが難しいだろうなと思っていたらまさかの続編が出たので、期待半分不安半分で早速購入・プレイしましたよ。

結論からいうと、個人的にはやっぱり前作・本所七不思議の方が好きだったかな。ただ、本作は本作で良かったし、第二弾としては大成功だったと思う。

いや、やっぱりいろいろな仕掛けの面でもゲーム性の面でも、初めてプレイする驚きに比べてしまうとどうしても感動が薄れてしまうので、そこはしょうがないんだけど、シナリオが良い意味で前作とは結構違う雰囲気なんだよね。

私の好みは本所七不思議なんだけど、色んなユーザーに興味を持ってもらうという意味でも、シナリオライターの腕が光っていたという意味でも、良い意味で「パラノマサイト」というゲームタイトルの幅の広さを見せてくれたと思う。

ただ、どうしても第一弾の方が良かったなーと思うところはたくさんあったので、初めて触るならそっちからやってほしい。そのうえで、楽しかったなーとかこういうゲームもっとやりたいな、とおもったらぜひ伊勢人魚物語もやってみてほしい。ギミックや謎解きの部分は伊勢人魚物語の方が凝っている部分も実際あったので。

あと本作の方が爽やかだしライトな遊び心地なので、こっちの方が好きという人がいてもおかしくないとは思う。私は後味悪い系の方が好きなので前作のが好きなんだけど。

 

第三弾も今から楽しみですね~わくわく。

 

www.jp.square-enix.com

 

 

※以下ネタバレあり感想(本所七不思議のネタバレも含む)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●シナリオについて

いやーーー本所七不思議になかった甘ずっぱ青春要素てんこ盛りだったね。仲良し4人組が何だかんだそれぞれカップルになっちゃうご都合展開感はあるけど、そこに胸糞を足してもしょうがないのでね。ラストもあれでよかったと思います。

まあただ、冒頭でも言った通り、自分は後味悪い系の湿っぽいシナリオの方が好きなのでちょっと爽やかすぎたかな。

本所七不思議だと、呪殺バトルがあるんで、レギュラーキャラがバンバン死ぬじゃないですか。死亡エンドもいくつかあるし。まあ、というか葉子さんが殺されるところから始まって、興家くんも謎の死体として見つかるエンドまでがチュートリアルになってる段階で、惨劇度が全然違うというか。笑

その点、今回の場合不老不死の人物が2人も出てくるのでそういう緊張感はないんだよね。

嫌な感じのヒールキャラは何人か出てくるけど、本所七不思議に比べると、その背景がちょっと薄いというか、あんまり同情ができないところがちょっとな。

(というか、本所七不思議の方は高校生組と刑事組以外は、どこか後ろ暗いところがある人たちなので…)

本所の葦宮さんとか、すんごい悪役だけどどこか哀しいというか同情してしまうところがあるじゃないですか。ああいう人物描写の深みがなかったかなと思う。そこは少し残念。

本作だと、強いていうならアヴィが好きだったなぁ。変人だし、自分の目的のためなら若干倫理的に問題があることでもやっちゃうけど、妙な愛嬌がある。ロマンマン。アヴィの不老不死バッドエンドはちょっと笑った。

 

●ギミックについて

パラノマサイトといえば第四の壁を壊すメタゲーとしての演出が多いゲームなので、本作は何をしてくるんだろうと思ったけど、まだまだこんなに色々工夫できるんだなと思ってびっくりした。

自分はメタゲーがめちゃめちゃ好きなので(OneShotとかSPIEGEL EIとかInscryptionとか、みんなやろう!)、人魚の肉を手に入れるためのギミックに使われていたような、セーブデータを見返したりオープニング画面に戻ったりというメタ演出自体は他ゲームでも経験はあったものの、こういう誘導の仕方をするのか!と新鮮に驚いた。PCゲームだともっともっと自由度高いメタ演出できるけど、switchという制限がある中でいろいろ工夫してるなーと思う。

 

●トリック・真相について

一番最初の海女さんミニゲームで、明らかに息が足りなくて初見死亡してしまった時点で、勇佐が不老不死だというのは察していた。あれ初見殺しというか、死なないように操作はできないようになってるのかな。祠の大穴を見つけるときも絶対市に戻りするようになってるし、記憶も受け継がれていたので、あーこれは不老不死演出ですねと。

ただ、勇佐が不老不死であることは終盤まで引っ張るんだと思っていたので、全然中盤くらいで答えさせられたときは、あ、まだいろいろ真相残してるのか、とびっくりした。多分「勇佐が不老不死」は敢えてわかりやすくしてるんでしょうな。

結命子さんが人魚というのも割とすぐわかったんだけど、資料にだけ載せて、本人の口から語らせないのは憎い演出だなと思った。ただ、逆に真エンドに行くための里ちゃん用の人魚の肉調達時、絶対結命子さんに協力してもらうんだと思ったら、全く関係なくて結構回り道してしまった。笑 よく考えたら結命子さんはもう人間だから使えないんですね。

全体的に、真相を見抜くこと自体はそんなに難しくない一方で、プレイヤーに入力を求めるシーンが多いので、まじめに推理しないとちょっとしんどいかもなとおもった。

ちなみに、箱を開けるギミックは水平線に合わせても反応がなかったので攻略情報を見てしまいました。あれはちょっとシステムが良くない気がする、、、

 

 

あと全体的にホラー要素が少なかったね。

私もホラーゲームは苦手なんだけど、本所のホラー要素はちょうどいいくらいの怖さだったので、もうちょっとびっくり要素があっても良かったかな。

第三作ではまた違う雰囲気のシナリオだといいなぁ。楽しみ楽しみ。